丹南にある来迎寺の山門を調査中です
- 公開日
- 2021/07/09
- 更新日
- 2021/07/09
生涯学習・スポーツの振興、文化財の保護と活用
文化財課の仕事のうち最も重要なものが、市内に残された文化財の調査です。文化財には色々な種類がありますが、古い建物(建造物)もその一つです。
今回、松原市文化財保護審議会委員の矢ヶ崎善太郎教授にご協力いただき、来迎寺にある山門(お寺の正面入口に建てられた門)の調査を開始しました。
建物の調査では、特徴などを写真と文章で記録し建物を計測して図面を作りますが、今回は様々な方向から撮影した写真を解析して3Dモデルを作るフォトグラメトリという方法での計測を試みました。3Dモデルを作るために数百枚〜数千枚の写真を撮影しなければいけませんので、特徴の記録作業は矢ヶ崎教授、計測作業は矢ヶ崎教授と同じ大阪電気通信大学工学部建築学科の飯島憲一教授と辻聖晃教授がそれぞれ担当されました。また、建築学科の学生さんたちも作業を手伝ってくれました。
撮影した写真は、現在、専用のソフトで解析中です。3Dモデルが出来上がれば、普段は正面から見ることができない屋根飾りなどを好きな方向から自由なサイズで観察することができ、大きさを測ることもできます。ちなみに、上にある彫刻の画像は教授からいただいた簡易な仮モデルの画像です。これも脚立や梯子がないと絶対に正面からは見えません。
現在、3Dモデルは、ゲームや映画のCGの素材、仮想空間を利用した観光、経年変化や被災の状況確認、建物の修理や改築のシュミレート、建物の復元など様々な用途での利活用が期待されています。今後、3Dモデルの精度検証作業やモデルから2Dの図面を起こす作業がありますので、また皆さんにご紹介します。【文化財課】