今年の夏は、台風や集中豪雨の影響で日本列島の各地で土砂災害が相次ました。
とりわけ広島市で起こった土石流は70人を越える人々の命を飲み込みました。気象予報の精度が高まる中、予測できない記録的な短時間集中豪雨の恐ろしさに、目を覆うばかりでした。
さて、昨年も紹介した、「教育サマーセミナー」が先日ありました。その研修の1コマに、兵庫県警察サイバーパトロールモニターの嶋田 亜紀さんの講演がありました。講演のタイトルは、『「インターネットに潜む危険」〜その仕組みを知ることで防げる被害〜』というものでした。本校でも毎年、1年生を対象に携帯機器メーカーの方を講師に招き、生徒たちに携帯機器の正しい利用について啓発教室を開いていましたが、今回の講演は、私自身の携帯機器に対する認識の低さをいやと言うほど感じる内容でした。昨年来、若者を中心に大きな社会現象で物議をかもした、「度を超したいたずらや悪ふざけ」を撮影した画像をインターネット上に配信した結果、当事者が大学や高校を退学させられただけでなく、家族がその損害額を弁償したり、その舞台となった店が倒産し、中には経営者が自殺に追い込まれたりなど、到底おもしろ半分では済ますことができない事件が起こっています。「1枚の写真」が、人生を狂わせるのです。今まで慣れ親しんだ住まいを後にし、転居しても、今のインターネットを駆使すれば、どこまでも追いかけることも可能だそうです。東野圭吾さんが書いた「プラチナデータ」の中で、犯人を顔認証システムを使って尾行するという場面がありました。こんなこともすでに、フィクションの世界ではなく、アメリカではテロ対策として実用化されているとも話されていました。嶋田さんは、携帯機器の使用を決して否定されるのではなく、その仕組みを正しく知り、安全に利用して欲しいと述べられました。
嶋田さんの話から、もう一度、家族で携帯機器(メール)の使い方や「インターネットに潜む危険」について話し合ってみて下さい。
最後に、保護者の皆様にお願いがあります。2学期も体育大会を始め、多くの学校行事に保護者の皆様が参観していただく機会があります。ご自身のお子さまの頑張りを撮影していただくことは差し支えのない範囲で結構ですが、インターネット上に投稿することは控えて下さい。よろしくお願いします。嶋田さんも講演の最後に声を大にしておっしゃっていました。「1枚の写真」の危険性をあらためて認識していただければ幸いです。