学校日記

一陽来復(いちようらいふく)ー今日は冬至ですー

公開日
2016/12/22
更新日
2016/12/22

校長メッセージ

 12月も半ばを過ぎるこの季節になると、日の出は遅く、日が暮れるのも早くなるので、よけいに年の暮れのあわただしさを感じてしまいます。
 みなさんは、一陽来復(いちようらいふく)ということばを聞かれたことがありますか。一陽来復というのは、実は冬至のことなのです。
 冬至は、一年間で太陽が出ている時間が最も短くなる日です。太陽の力が一番弱まる冬至の日を境に、あくる日からは、再び少しずつ日が長くなっていきます。この冬至のことを、古来、日本や中国などでは「一陽来復」といいました。陰(いん)が極まり再び陽(よう)にかえる、冬至を境に運が向いてくるなどととらえたのです。
 実は、冬至を、太陽が生まれ変わる日、太陽の力が甦ってくるはじまりの日などととらえて、冬至近くにおまつりをする風習は、世界各地で、古くからおこなわれているそうです。
 人間はすごいですね。一年で一番暗い冬至の日を、暗くていやだと思うのではなく、明日からはだんだん明るくなると考えるのです。そのように考えると、暗い冬至の日にも明日から少しずつ明るくなる日の光を想像できます。それは、明日への希望と言えるかもしれません。人間の歴史を支えてきたのは、こういう「希望」なのだと思います。

 さて、今年の冬至は12月21日でした。冬至近くのこの季節に学校も終業式を迎えます。この時期に、ご家庭でもしっかり子どもと向き合っていただいて、ぜひ一年を振り返る時間をもってほしいと思います。そして新たな年のはじまりに、何かひとつでも、目標をたててみてください。目標を持つということは、明日への希望につながるものです。来るべき一年をよりよく生きたいと願う心から、目標が生まれるからです。ですから、目標は、たてることそのものが大切です。
 目標が達成できなかったときは、また来年の冬至近くに振り返りって、その次の年へ向かえばよいのです。そうやって希望をつなぎながら、人間は生きていくのだと思います。
 子どもたちにも、一人ひとりの日常には、かなしいこと、くやしいこと、はらがたつことなど、たくさんあると思います。もちろんうれしいことや、たのしいこと、心があたたかくなることもたくさんあるでしょう。一年のおわりにそれらの日々を振り返り、ひとつのけじめをつけて、一陽来復で次の希望に向かって歩んでいく、来る未来に向けてそんな経験をぜひ積み重ねてほしいと思うのです。
 
                    校長 中島 智子 
                      (ひこばえ原稿より)

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