第77回入学式
- 公開日
- 2022/04/07
- 更新日
- 2022/04/08
校長メッセージ
令和四年度 入学式式辞
新入生の皆さんならびに保護者のみなさま、ご入学ありがとうございます。(中略)
さて、本日は新入生のみんなに、この三月の卒業式でしたお話しをさせてもらいます。
世界中にあるいろいろな国や地域には、考え方や大切にしていることにそれぞれの違いがあります。それをわかりやすく説明した例え話です
「あるとき、とても大きくて豪華な船が、世界旅行をしていました。その船には多くの国の人々が乗っていました。しかし、途中で激しい嵐に遭い、船が沈みだしてしまいました。船長さんはすぐにお客さんを船から避難させようと次のように声をかけました。
アメリカの人たちは、勇気のある英雄、わかりやすく言うと“ヒーローやヒロイン”になることを大切にしているので、「今、飛び込めばあなたたちは“ヒーローやヒロイン”になれますよ」と。するとアメリカの人たちは次々に海に飛び込み始めたそうです。
イギリスの人たちは「物知りで、礼儀正しい立派な人」になること、わかりやすく言うと“ジェントルマンやレディ”になることを大切にしているので、「今、飛び込めばあなたたちは“ジェントルマンやレディ”になれますよ」と。するとやはりイギリスの人たちも次々にみんな海に飛び込みました。
ドイツの人たちは、“規則”を大切にしているので、「海に飛び込むことが規則になっています」と言いました。すると、やはりみんなが一斉に海に飛び込みました。
ではここで新入生のみんなに質問です。その船長さんは日本の人たちには、何と言ったでしょうか?
正解は「みんな飛び込んでますよー」です。
このお話は、わたしたちが暮らしている日本では、「みんなと同じであること」や「みんなと同じことをすること」が大切にされているということを説明した例え話です。あくまでも例え話なので、すべての人に当てはまるわけではありません、偏見や思い込みにつながらないように注意してくださいね。
しかし、時代は進み、みんなが生きている現在は、「同じこと」が大切なのではなく、みんなと「違うこと」こそが自慢であり、価値があるという時代になってきています。今や、「みんなと違うこと」を理由に誰かを傷つけたり、おとしめたりすることなどは絶対に許されないこととなっています。お笑いタレントさんですら、人の外見や特徴などをはじめとした、個性や、人との違いをネタにして笑いをとることが受け入れられない時代になっています。
これまで、みんなと「ちがう」と思うことがあり、そんな自分が「嫌いだ」とか「弱点だ」と思ってきた人がいるとすれば、これからは決して不安に思う必要などありません。誰もが持っている「みんなとちがうところ」「みんなのもちあじ」を笑ったり、仲間はずれにしたり、その結果だれかをきずつけたりする人がいるとすれば、「その人こそが間違っている」ということがはっきりしはじめた時代になっています。
「みんなとちがう」ことこそが自慢であり、価値がある、「みんなとちがっていること」こそが、強みとして評価される時代になってきています。三中の先生たちもこのことをみんなで大切にしたいと考えています。
だからこそ、これから始まる中学校生活では、「ありのままの自分」を大切に過ごしてほしいと思います。そんなみんなを、先生たちも先輩たちも、保護者や地域のみなさんも、心から応援しています。
今後、一刻も早く、保護者の皆さまに信頼され、「先生まかせたで」とおっしゃっていただけるよう、そして三年後、心から「おめでとうございます」と胸を張って言えるよう努力してまいる所存です。より一層のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げ、式辞といたします。
令和4年4月7日
松原市立松原第三中学校長 野崎龍介