学校日記

第78回卒業証書授与式 式辞

公開日
2026/03/13
更新日
2026/03/13

校長メッセージ

 本日は、松原第三中学校第七十八回卒業証書授与式にご臨席賜りました松原市教育委員会をはじめ地元の高校並びに校区の小学校校長先生、また本校にゆかりある地域関係者のみなさま、高い所からではございますが厚く御礼申しあげます。

さて、七十八期生のみなさん。そして保護者、ご家族のみなさま、入学式では「おめでとう」ではなく、「ありがとう」と伝えたので、やっと言えます。

「ご卒業おめでとうございます!」

この七十八期生を語るとき、いつも思い出すのが入学後すぐのホームルーム合宿。そこから帰ってきた直後の聞き取り学習です。ほんまに話を聞くことが苦手な子が多かったこと。特に男子は、改修工事が終わってピッカピッカのトイレがみんなの遊び場になっていたので、毎日毎日どれだけ床を汚してくれたことか。何回も先生掃除しました。

でも掃除してるたびに、「校長先生大変やなあ」と声をかけに寄ってきてくれる人がたくさんおった。そんな声をかけてくれる人数が増えていくごとにトイレの床が汚れなくなっていった。

人の気持ちがわかる子らやなあと嬉しく思ったことを思い出します。

あれから3年。今では、毎回の生徒集会で一番話を聞く姿勢がいいのも三年生。立派に一、二年生の模範となってくれています。

「人ってほんまに成長するなあ」とあらためて学ばせてもらえる七十八期生でした。

みんなとの思い出で最も心に残り、私自身が成長させてもらった経験があります。

昨年九月の校外学習、「万博」に行ったときの話です。

覚えてるかなあ。通勤ラッシュの時間帯、天王寺の駅で集まっているときに、車いすユーザーの方から通行の妨げになっていることに対して厳しく叱られました。突然の大声でびっくりして、とっさに言い返した人もいたようです。それをちゃんと止めてくれた人もたくさんいたと聞いています。

  そのあとすぐに、その方からかなり厳しいお叱りのお電話をいただきました。

何度謝っても許してもらえず、最後にはガチャンと激しく電話を切られました。

  その後に、「なんであんな言い方するんやろう?」「どうすればよかったんやろう?」と考える自分がいました。

そのうちふと、その人のほんとに伝えたいことがわかるような気がしてきました。

  一つ目は、先生の心の問題でした。その人に対する「ごめんなさい」の気持ちよりも、自分の学校の生徒が急に叱られたことに対する腹立たしさが勝っていたのを見破られていたということ。

二つ目は、「その方の通行の邪魔になってしまったことは、三中生にとっては初めてのことだったけど、その方にとっては、日常茶飯事のことで、いつもいつも同じ経験をされているのかもしれないということ」。「車いすユーザーの方にとっては普通に通勤することすら簡単にできない社会に対する腹立たしさとともに痛みがあったのかもしれないということ」「その人の腹立たしさばかりにとらわれて、痛みがまったく理解できていなかったなあ」と考えるようになっていて、そこで初めて百パーセント申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

そんな気持ちでその方の話を聞いていれば、あそこまでお相手の方が嫌な気持ちになる電話にはならなかったかもしれないと反省しました。

 最後に、卒業していくみんなに歌のプレゼントをさせてください。もしかしたら同じ歌を歌ったことがあるかもしれないけど聞いてください。

「言葉は心を超えない♪」。

この歌詞をぜひ覚えて、大切にしてほしい。

この続きは、「とても伝えたがるけど、心に勝てない」となります。

「普段みんなが使っている言葉だけで、心の中のすべてを伝えることはできない」ということをうたっています。

だから誤解が生じたり、そんなつもりじゃないのに間違った受け止められ方をされてしまうことがある。それが原因のトラブルを経験した人もいるかもしれません。

要するに言葉は不十分なんだということです。

ましてやSNSがコミュニケーションの主流となっている今ではなおさらです。

そうならないためには、お互いに、「相手の人はどんなことを伝えようとしているのか?」「本当は何が言いたいのか?」を想像することが必要だということです。

その車いすユーザーの方が「怒っている意味」「本当は何が言いたかったのか?」ということを想像する力が先生には足りなかったということに気づき、学ばせてもらえた貴重な経験です。

 

ぜひ覚えて、大切にしてほしい。

「言葉は心を超えない」。

だからこそ「相手の言葉の向こう側を想像する気持ちが大切」。

このことを心に刻み三中を巣立って行ってください。

 

七十八期生みんなの幸せを心から願い式辞とします。

                   

松原三中に入学してきてくれてほんまにありがとう。そして、心から卒業おめでとう!

 

令和八年三月十三日

 

松原市立松原第三中学校長 野崎龍介

追伸

  式辞でお話させていただいた通り、お電話をちょうだいした方には、誠実な対応が欠けていたこと本当に申し訳なく思っています。こちらからご連絡するすべもなく、ホームページ上でのお詫びとなってしまいますが、本当に申し訳ありませんでした。これからも子どもたち以上にまずは教員が学び続けられる学校でありたいと考えています。よろしくお願いいたします。